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(7/6〜)世界遺産登録15周年記念企画展「熊野古道伊勢路 〜くまのみちを歩いた人々〜 」 @熊野古道センター【9/1迄】
日程:
2019年09月01日

時間:
9時00分〜17時00分

場所:
三重県立熊野古道センター(尾鷲市向井12-4)

お問い合わせ:
三重県立熊野古道センター
TEL:0597-25-2666
FAX:0597-25-2667
E-mail info@kumanokodocenter.com

内容:
 尾鷲市向井にある三重県立熊野古道センターにおいて世界遺産登録15周年記念企画展「熊野古道伊勢路 〜くまのみちを歩いた人々〜 」が開催されます。

  京より熊野三山にいたる道、熊野街道。古くは「くまのみち」とも呼ばれた街道です。西回りに和歌山を通る道は紀伊路、東回りに通る道を伊勢路と呼びました。紀伊路は1000年以上も昔、天皇を退位した上皇達の熊野詣への長い辛苦の旅路。そして、この長旅を生涯34回通い遂げた後白河上皇が編纂した今様「梁塵秘抄」に伊勢路は初出します。
 伊勢路は古くより地域に点在した生活道が、熊野詣や西国巡礼に訪れた多く旅人の往来により、一つの線となり、伊勢神宮と熊野三山の2つの聖地を結ぶ参詣道として成立していきました。近世には幕府の諸政策から熊野街道が重要視されることで大規模な整備が施され、峠にみられる石段や石畳、石積、一里塚など、現在にも見ることのできる姿となりました。
 当企画展では、令和元年7月に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」が登録15周年を迎えるにあたり、中世から近世にかけ「くまのみち」と呼ばれた熊野街道を歩いた人々が書き留めた道中日記や流布した道中案内記などの史料、さらに旅装束などを実物やパネル展示により紹介します。また、現代の世界遺産としての熊野古道伊勢路を、写真や映像を通してご覧いただきます。

≪展示構成≫

1,中世
 中世の熊野参詣の主役は上皇をはじめ貴族・皇族が中心であり、庶民の旅は仕事や戦に駆り出されること以外は成立せず、伊勢路を歩いた紀行文などの記録はほとんど遺されていません。そのような中、室町時代後期に、宇治橋架橋や遷宮復帰に貢献し、熊野と伊勢を幾度も行き来したとされる清順上人について、パネル等で紹介します。

2,近世
 長らく続いた戦乱の世が終焉し、江戸時代も安定期に入ると、生活にゆとりが生じたことから農閑期には、「旅自体を目的とした旅」にでる庶民が増えました。多くの旅人は、伊勢参宮の後、京都や大阪に向かいましたが、信仰の旅を本望とする人たちの中には、田丸から進路を熊野街道にとり、西国巡礼の旅に出る者もいました。旅人の足取りに合わせた道中案内記なども多く発刊され、旅人もまた道中の様子を紀行文に詳しく綴りました。それら道中案内記や道中日記などの他、旅に使われた様々な道具なども併せて紹介します。

3.近代〜現代
 明治期に入り、明治政府による神仏分離令などの宗教政策により、庶民による熊野詣の旅は沈静化します。変わって、荷車・人力車など移動手段の発達、やがて昭和・大正期には車道の新設により、それに対応した広い道が新たに築造されて旧道は雑草に埋まってしまいます。しかし、平成時代に入り、地域の人々の力により発掘され、熊野信仰とその参詣道の歴史を未来に伝える形となって復活し、世界中から多くの人々が訪れています。景勝地としての熊野古道伊勢路の魅力を写真や動画を通じて紹介します。

≪付属事業≫
 世界遺産登録15周年記念講演 「伊勢路を歩いた人々の巡礼体験」
 ◇日 時:7月20日(日)13:30〜15:00
 ◇定  員:80名(先着順・要申込)
 ◇講  師:伊藤 文彦氏(三重県教育委員会文化財保護技師)
 ◇参加料:無 料
 ◇場  所:映像ホール
 ◇受  付:令和元年6月20日(木)〜7月19日(金)

<伊藤 文彦氏プロフィール>
 1976年大阪生まれ。筑波大学大学院世界文化遺産学専攻修了、博士(世界遺産 学)。国際記念物遺跡会議(ICOMOS)会員。専門は考古学・文化遺産論。2006年 から三重県教育委員会。2012年から「伊勢から熊野へ聖地巡礼歩き旅復活プロ ジェクト」を主宰、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路、熊野参詣道 伊勢路踏査を実施。主な著書に、『文化遺産としての「巡礼路」の保存と継承の 研究〜熊野参詣道伊勢路を事例に〜』(博士論文)、『熊野古道伊勢路を歩く〜 熊野参詣道伊勢路巡礼〜』サンライズ出版ほか。

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